Orca ADE:複数の CLI エージェントを各自の git worktree で並列実行
Orca 自体はモデルでも鍵を預かる仕組みでもない。Claude Code、Codex、OpenCode といった端末の CLI エージェントをそれぞれ別の git worktree に入れて同時に動かすための道具で、モデルへのアクセスは自分の契約のまま。並列で何が本当に減り、何と取り引きし、各 CLI の権限 flag が Orca でどう初期設定されているかを書くページだ(2026-09-22 に照合)。
更新日 2026-09-22
まず押さえて四点
モデルではなく ADE
リポジトリは自らを「Orca is the ADE for working with a fleet of parallel agents」と紹介する。公式ドキュメントのトップは「Orca is a desktop IDE for running multiple AI coding agents side by side」と書き、同じページに「Not a model. Orca runs agents you already use」もある。二つの呼び方は同じ対象を指す。モデル自体は Orca に含まれない。確認日 2026-09-22。
タスクごとに専用のチェックアウト
README の Parallel Worktrees には「Fan one prompt across five agents, each in its own isolated git worktree — compare the results and merge the winner」とある。仕組みは docs 側の「every task gets its own on-disk copy of the repo via git worktree」が説明する。同じページで、新しい worktree はクリーンな checkout だから gitignore 済みの依存や秘密情報は作り直しが必要だと警告している。確認日 2026-09-22。
プリセットは上限ではない
公式の supported ページは率直だ。「Orca works with any CLI agent — the agent combobox just launches a process in a terminal」。一覧はプリセット済みでワンクリック起動できる項目を並べたもので、より深い hooks・ステータス・使用量トラッキング・アカウント切替は項目ごとに注記される。だから本ページでは対応 agent の総数は書かない。確認日 2026-09-22。
使用量バーはローカル情報を読む
公式の usage-tracking には「Orca reads the local usage state each agent maintains on disk (under ~/.claude, ~/.codex, and the Gemini/OpenCode equivalents)」→「No API calls, no extra auth」→「numbers update when the agent writes, not in real time」と続く。名指しされている範囲は Claude Code、Codex、Gemini、OpenCode、Kimi Code、MiniMax で、全 agent の話にはしていない。確認日 2026-09-22。
Orca は何で、何ではないか
公式は同じ物を三通りに紹介する。まとめて挙げておけば言い回しのブレを突かれない。リポジトリページでは the ADE for working with a fleet of parallel agents、公式サイトは略語を Agent Development Environment と展開し、ドキュメントの index ページは desktop IDE と呼ぶ。指している物は同じ。複数のコマンドライン agent を独立の git worktree に分け、一か所で追う。より重要なのは「何でないか」。公式の原句は Not a model、動かすのは契約済みの agent。計算資源の貸与でもない。Orca does not sell managed VPS hosting とあり、リモート構成の機械もクラウドアカウントも自分の管理下にある。照合は 2026-09-22。
この半年の数字
人気ではなく、その日にページで数えられる値だけを残す。GitHub のリポジトリページに埋め込まれたデータでは createdAt は 2026-03-17。Latest バッジの付いたリリースは v1.4.206(2026-09-20)。README の最上部には free and open source under the MIT License とあるので、入れてもソースコードを読んでも issue を出しても前払いはいらない。公式サイトの目立つ行は Free and open source. New features shipped daily.。課金は agent 側で始まる。話題になる理由として公式の証拠で支えられるのは二つだけ。無料のオープンソースであること、ベンダー自身が毎日出荷と言い、README の一覧が追いついていないこと。いずれも当日の値でずれるため、このページでは 2026-09-22 の一時点の記録としてだけ残す。
タイムライン
2026-03-17:GitHub のリポジトリページが stablyai/orca について返す createdAt はこの日(UTC)。同じメタデータには fork ではない・組織の所有・アーカイブ済みではないも並ぶ。本ページの確認日 2026-09-22 までで半年を少し過ぎたところ。
2026-09-20:GitHub Releases に v1.4.206 が出た。その本文は「It usually takes 48–72 hours for a landed PR to be released (except P0+ fixes)」。README も「we ship daily, so this list is perpetually behind」と認める。install ドキュメントはそこに線を引く。自動更新は既定で stable チャネルを追い、stable は vetted 済みで、新しい機能をしばしば毎日出すのは RC ビルドの側だ。確認日 2026-09-22。
2026-09-22:このページの四カ国語で引いた公式の一文はすべて当日に README・公式 docs・GitHub Releases から取り、一語ずつ照合した。リポジトリページの star や fork など分単位で動く数は本文に書きません。書いた当日に古くなるからです。確認日 2026-09-22。
公式で逐語確認 vs 落とし穴
公式で逐語確認できる
2026-09-22 に照合し、公式ページで逐語に読めるものだけ。モデル:Not a model. Orca runs agents you already use。計算資源:Orca does not sell managed VPS hosting。分離:Orca is worktree-native、タスクごとにリポジトリの別コピーをディスクに取る。対応範囲:Orca works with any CLI agent、公式の説明ではコンボボックスは端末でプロセスを起動するだけ。ただし同じページで粒度が分かれ、ピッカー項目はワンクリックで事前設定済み、より深い hooks・状態・使用量・アカウント切替は対応する agent にだけ注記される。使用量バーは各 agent がローカル ディスクに書く状態を読むだけで、No API calls, no extra auth。数字は agent が書き込んだ時に更新され、リアルタイムではない。入れ方は brew install --cask stablyai/orca/orca のみ、Linux ではコマンド名が orca-ide。ライセンスは free and open source under the MIT License。
⚠️ 同名とリストの遅れ
踏みやすい穴が二つ。ひとつ目は同名。orca を検索すると先に出会うのは Plotly のグラフ出力用ツールで、その README には Orca has been deprecated as of August 2026 とあり、Kaleido が案内されている。Homebrew で tap を付けない orca cask も同じ物を指す(interactive plotly charts)が、2026-09-01 から disabled なので、いま起きるのは「別物が静かに入る」ではなく「そもそも入らない」だ。GNOME 系デスクトップでは /usr/bin/orca を読み上げ用の Orca が埋めているため、公式は Linux のコマンド名を orca-ide にし、Do not verify with command -v orca と明記している。ふたつ目は追いつけないこと。README は機能一覧の末尾で we ship daily, so this list is perpetually behind と自認するが、示す changelog のリンク先は GitHub Releases で、公式サイトの更新履歴ではない。Install の文書は Stable releases are vetted と対象を絞り、「毎日」は RC の話。「毎日インストールできる安定版」とは誰も書いていない。2026-09-22 照合。
ターミナル N 本と tmux の比較
増える側
公式に逐語で載り、むき出しの端末だと自前で組む四点。タスクごとにディスク上別コピーのリポジトリ。単一のプロンプトを複数 agent に配って結果を比べ、勝ちをマージする流れ。ベンダーに問いに行かない、ローカル記帳を読む使用量バー。完了通知と後続指示が出るモバイル companion。2026-09-22 照合。
失う側
反対側も書かないと偏る。新しい worktree は空っぽの checkout で、gitignore 済みの依存・キャッシュ・ローカルの secrets は作り直すまで欠けると公式は明記する。並走させた agent には各 CLI の権限スキップ用 flag が既定で事前に入ると公式は書くが、その先には踏み込まない。CLI からのオーケストレーションは Settings の Experimental を先に有効化する必要があり、公式自身が Command flags evolve with the app と書く。スマホは読み取り中心で、ただ一つの情報源はいつでもデスクトップ。ターミナル N 本と tmux なら全て自分の手で、読める・監査できる・バージョン管理できるスクリプトになる。代償は分離も使用量の表示も自作する点だ。2026-09-22 照合。
入れ方と、入れ終えてからの一手
1) macOS は tap 付きの brew install --cask stablyai/orca/orca を使う。この cask は stable に自動追随し、更新は brew upgrade --cask orca。tap なしの brew install --cask orca は Homebrew の Plotly 図表エクスポータを指すもので、この cask は 2026-09-01 付けで無効化済みで、「別の物が静かに入る」のではなく、そもそも入らない。2) install ページは macOS、Windows、Linux をカバーし、stable リリースごとに AppImage、.deb、.rpm が出る。自動更新は AppImage だけ、他は Copy Install Command を出すのみ。3) Arch は README の yay -S stably-orca-bin。AUR や Nix の再パッケージはアプリ内更新の対象外。4) Linux では CLI が orca ではなく orca-ide で入る。/usr/bin/orca は GNOME スクリーンリーダの持ちだからで、command -v orca で確認するなと公式が書いている。入れ終わったら worktree をひとつ作って最小タスクを回すこと。A brand-new worktree is a clean checkout —— gitignore 済みの依存・キャッシュ・ローカルの secrets は入っていない(照合 2026-09-22)。
QCode との橋は一文だけ
Orca はモデルを中継せず、あなたの認証情報も預からない。公式 first-session ページには Orca will launch the agent's CLI with the correct working directory and forward your subscription credentials とある。だからエンドポイントも key も、起動される CLI 自身の設定で変える——その key は QCode のものでもよい。これが本ページの唯一の橋だ。Orca はローカルアプリで当サイトのモデル一覧には無いので、「QCode 対応済み」とは書かないし、可用性の約束もしない。Claude Code を別の base_url へ向ける話は /anthropic-base-url-setup-guide(その二つの変数の使い方はここで繰り返さない)、agent ごとのエンドポイント項目は /orca-third-party-api-key。用量バーは各 agent がディスクに書く記帳を読むだけで、公式は provider console を基準にせよと言っている。突き合わせの材料にはするな(照合 2026-09-22)。
よくある質問
Orca を使い始める前に Claude や Codex のサブスクリプションは必要?
Orca 本体は無料。公式 README は Orca is free and open source under the MIT License と書いている。モデル access も売っていない:What is Orca ページは Orca runs agents you already use — bring your own Claude, Codex, or OpenCode subscription といい、When to use Orca の一行目は You already pay for Claude Code, Codex, or Cursor CLI。GLM のページには Orca does not include or resell GLM access がそのままの文言で書かれている。金が出るのはその agent のサブスクか認証情報側で、Orca 側ではない(照合 2026-09-22)。
自分の key やエンドポイントを設定できる?
Orca の側には貼れない。公式 first-session ページは Orca will launch the agent's CLI with the correct working directory and forward your subscription credentials、supported ページは機構を the agent combobox just launches a process in a terminal と書き切る。key もエンドポイントも、その CLI 自身の設定で変える。Orca 側の唯一のモデル切替は orchestration の --model で、公式は accepts opaque provider model IDs for Claude, Codex, and Cursor の三つに限定している。他は各自の設定に戻る。agent ごとのエンドポイント項目は /orca-third-party-api-key(照合 2026-09-22)。
OpenRouter や別のゲートウェイの用量が用量バーに出ないのはなぜ?
制限が二重かかる。まず適用範囲:公式 usage-tracking ページが名指ししているのは Claude Code、Codex、Gemini、OpenCode、Kimi Code、MiniMax の 6 社だけだし、supported ページも deeper hooks, status, usage tracking, and account switching are noted where supported と、対応する所だけ注記する書き方をしている。鮮度:同じページに numbers update when the agent writes, not in real time。agent を OpenRouter のような第三者のエンドポイントに向けた後にバーが正確かどうかは、公式文書に書かれていないので推測しない(照合 2026-09-22)。
スマホではどこまでできる?
見張って追加指示は出せるが、第二のクライアントではない。README は Monitor and steer your agents from your phone、mobile ページはそこを gives you a read-mostly view of running agents と限定する——agent の状態、直近のターミナルのスクロールバック、それにプロンプトへの返答、worktree の睡眠、source control の確認、agent のアカウント切替まで。同ページには Pairing is one-time and the desktop is always the source of truth、そして The mobile companion is in beta。Codex の rate-limit reset 枠は companion の Accounts 画面で使える(照合 2026-09-22)。
SSH worktree が繋がらない、まず何を見る?
公式 ssh ページには二つの壁がある。1) ホスト鍵の検証:Orca checks built-in SSH connections against your effective OpenSSH known_hosts で、以前の鍵も突き合わせる。再構築・再プロビジョニングで指紋が変わると、パスワードを聞く前に拒否される。まず新しい指紋を自分で確かめ、known_hosts 不一致なら対応する ssh-keygen -R コマンドを出してくれる。2) リモートのビルド連鎖:初回接続ではリモート側に小さな relay が入り、Linux ではその場で node-pty をコンパイルすることが多い。make、C++ コンパイラ、python3 が無い環境では files, git, editor はつながるのにリモート端末だけは動かない。ツールを入れて再接続する(照合 2026-09-22)。
Orca が勝手にモデルを呼んで課金されることはある?
用量の側では起こらない:公式の原文は No API calls, no extra auth、各 agent がローカルディスクに書く記帳を読むだけだ。モデルを呼んで金になるのは起動される CLI の方で、同じドキュメントは二つを注意している:For new launches, Orca pre-fills each supported CLI's permission-bypass flag、そして A worktree is an isolated checkout, not a security sandbox。公式の対策は Settings → Agents → Agent Permissions で Manual を選ぶこと。Orca はモデルのプロキシ層を足さない、supported ページの言い方が the agent combobox just launches a process in a terminal だからだ(照合 2026-09-22)。
出典
公式リポジトリと README:https://github.com/stablyai/orca および https://raw.githubusercontent.com/stablyai/orca/main/README.md。公式ドキュメント https://www.onorca.dev/docs、このページで一字単位で引用したのは install、model/worktrees、ssh、mobile、agents/supported、agents/usage-tracking、agents/glm-agent、cli/orchestration、first-session(raw は https://raw.githubusercontent.com/stablyai/orca/main/docs/site/content/docs/)。同名の確認:https://formulae.brew.sh/cask/orca と https://orca.gnome.org/。すべて 2026-09-22 に取得。README 自身が we ship daily, so this list is perpetually behind と書いているので、コマンド名・パッケージ名・agent 一覧は取得日を限度とする。
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このページは Stably が公開している Orca のドキュメントとリポジトリの内容を言い直したもので、Orca や Stably と資本・提携関係にはなく、推薦も受けていない。コマンド名、パッケージ名、agent の一覧、用量バーの挙動は 2026-09-22 に取得した公式ページが範囲で、公式 README 自身が機能一覧は常にリリースに遅れていると書いているため、導入前に原本へ戻って確認されたい。QCode は起動される agent が使う key の供給元のひとつにすぎず、Orca の挙動には責任を負わない。